「Earfun Air Pro 3」を購入してみました。外出中にノートPCを使ってオンライン会議に参加できるようにするため、Windowsノートとペアリングできる適当なワイヤレスヘッドセットが必要となったためです。荷物を減らしたいのでヘッドセットではなくイヤホンにしました。ワイヤレスでノイキャン付きで¥7,990とお安い。使ってみた結論から書くと1万円以下とは思えないぐらい機能が盛り込まれているお得なイヤホンでした。今年のコスパ最強イヤホンという評判通りです。
Earfun Air Pro 3 |
これだけ機能が充実していると、これからのワイヤレスイヤホンの選択は二極化してコスト重視で1万円未満のものか音質重視の3万円台のものを選ぶのが良いのではないかと思い始めました。
今回はノマド仕事を想定して、ノートPCとイヤホンを繋げてTeamsやZoomに使うこと、iPhoneとマルチ接続をして同時に電話待機や音楽も聞けるようにするという目的で機種を選びました。AppleのAirPodsではWindows PCとiPhoneの同時接続ができないので、今回は一般的なBTイヤホンを使うという事です。
さて、コスパが良く必要な機能が一通り揃っているAir Pro 3ですが、欠点があるとすれば巷で言われているように過剰に低音の音量が大きく出る傾向です。
この低音問題は音楽を聴く時ばかりではなく、マイク機能を使い電話やzoomで話をする時にも気になりました。イヤホンをつけた状態で話をすると自分が発した声の低音成分が頭に響くような聞こえ方が発生して耐え難いし話しづらいです。例えると手のひらで耳を塞いで発声した時に体感できる「自分の声が頭蓋骨に響く」状態が低音成分だけ大きく強調されて自分の耳に返ってきます。
Air Pro 3をつけてオンライン会議で話をすると、自分の声の低音成分が強く骨伝導のように頭に響きかなりしんどいです。この現象はノイキャン機能やアンビエント機能をオフにしても同様な状態なので、Air Pro 3で低音成分がやたら強く出てしまう原因はイヤホンの物理的特性が起因するものであると考えられます。
そういえばこの音響特性は昔も体験したことがあったなと思い出しました。昔はノイズキャンセリングイヤホンを耳につけて発声すると、低音が頭に響く聞こえ方となることが一般的だったのです。古くはSONY MDR-NC22やBOSE QC30とか。このように聞こえる原因はノイズキャンセリングイヤホンが耳栓のように耳穴を塞ぐためです。その後AirPodsが出た時にこの問題が大きく改善されていて当時は驚いたものでした。
一般的にノイキャンイヤホンでキャンセルすべき環境ノイズは低音成分が多いので、低音を強くコントロールするような設計となります。すると低音に弊害や副作用が起きやすいようです。Air Pro 3は昔のノイキャンイヤホンと似ている低音特性であるので、ここら辺が安いイヤホンなりの価格相応な点であり、3万円台のイヤホンとの音質の違いなのだろうと思います。
低音が強調される理由が何となく分かってきたので、Air Pro 3の低音対策を試みます。一応、付属のスマホアプリでイヤホン内のDSPのEQ設定が可能なので、再生する音楽の低音をカットすることはできます。しかし今回のように自分が発した声が耳で反射してひどく響く低音成分をカットするには何らかの物理的な対策が必要です。
ということで、試しに低音が抜けるイヤーピースに交換してみたところ改善しました。Air Pro 3は一般的なサイズのイヤーピースがついているので、社外品へ交換が可能です。
Air Pro 3のイヤーピース |
使用したのはFiiO HS19のボーカル重視イヤーピース。ボーカル重視とはつまり低音を弱める特性ということです。HS19にはバランス重視、ボーカル重視、低音重視、メモリーフォーム型などがS, M, L各サイズでセットでセットでケース入っています。セット価格で2千円前後と安いので、イヤホンの特性やイヤーピースの大きさを調整したい時にとりあえず初めの一品目としてお得です。
FiiO HS19 |
Vocal重視タイプを取り付けてみました。
Vocal重視タイプのイヤーピースへ交換 |
結果、自分が発した声の低音が頭に響く状況はかなり改善されました。AirPodsほど快適ではありませんが、1万円以下という価格と仕事用に時々会議で話をする程度の用途であれば許容レベルです。
今回のような低音軽減型のイヤーピースは、ゴムが薄くて柔らかい構造なので耳栓としての機能は弱くなります。そのためノイズキャンセリングの性能は落ちます。電車での利用はちょっと厳しいかなという程度低下します。しかし私はAir Pro 3をweb会議など仕事用と割り切っていて電車の中で使うようなことは無いので問題ないです。
イヤーピース交換後も従来通りに充電ケースに収まります。
音楽の再生時にはまだ低音が大きく感じるので、EarfunアプリからEQで低音をカットしています。
EQ設定で低音を抑えます |
それにしても1万円以下のイヤホンなのにアプリでEQ調整可能なDSPが入っているとは恐れ入ります。加えてハードウェアと連携するスマホアプリの開発は多く工数がかかることを経験上知っているだけに、コスパの良さにこれまた驚きを隠せません。
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