おうちクラウド | NUCを超えるコンパクトサーバマシンならばこれを選べ!

2022-09-27
  • B!

PC VMware

インターネットがADSLで常時接続できるようになった頃は、自宅でサーバができるぞと喜んだものです。まぁ、それ以前にテレホーダイで時間限定サーバもやっていましたけど。

今は自宅サーバのことをおうちクラウドと言うらしい。手元に物理サーバがあるのにそれはクラウドじゃないだろと言うツッコミは無視。でもやっぱり、おうちクラウドではなくて本来はおうちオンプレミスじゃなかろうかと思うのだが。

宣伝やマーケティングとしては、クラウド=サーバと言う概念が通じやすいんだろうね。オンプレを触ったことがないというwebエンジニアも珍しくないですし。

さて、おうちクラウドというと定番はインテルNUCにVMware ESXiを入れて仮想化する構成だ。

インテルNUCというのはインテル製の半完成PCの製品ラインのことで、CPUがマザーボードに直付けされている小型PC。購入後に自分でメモリとディスクを入れて完成させます。電源がACアダプタで別体であるメリットを活かして静音かつ小型。これにESXiをインストールしておうちクラウドを作るというのが定番です。ただし、ESXiとNUCのハードウェアの互換性の問題でドライバをカスタムインストールしながらESXiをインストールする手間があります。ESXiはミッションクリティカルな業務用途にも使用されることを想定しているので、安定動作できると認められたパーツのドライバしか入っていないからです。

一応補足しておくと、VMwareも開発コミュニティを大切にしてか、非公式の動作環境情報を公開しています。

そんな感じで自宅で小型ESXi = NUC kitという構図が定番ですが、私の構成は違います。なぜならNUCよりもESXiと相性が良い小型マシンを見つけてしまったからです。

そのマシンとはShuttleのスリム型ベアボーンです。このベアボーンの特徴は、ESXiと互換性が高く、ESXiのカスタマイズが不要でVMware純正のESXiインストーラから標準インストールするだけですぐ使えるのです。だから運用性が非常に良い。

こちらは初号機のDH310で構成した時のパーツ。
各パーツ代込コミコミの構築価格はNUCと互角ですので、検討の価値ありです。

この時のパーツ構成はベアボーン側が第8世代用マザーボードだったのでCore i7-8700。6コアもあるので仮想化でも十分なリソース。半完成品のベアボーンなので、CPU、メモリ、SSDを組み付ければ完成です。

今回のストレージはSATA M.2 SSDにしました。NVMeも使用できますが、自宅サーバとしての安定稼働と静音を重点に置いて、速度よりも発熱の少なさとESXiとの互換性の良さを優先させました。SATAの場合はマザーボードのSATAコントローラがESXiと互換性があれば問題ありません。一方で、PCIeパーツとして動作するNVMeは、NVMeのドライバがESXiに入っていないと動作しません。NVMeの場合はESXiと互換性のあるものにしたほうが幸せになれます。

電源はACアダプタですから静かです。


ESXi 6.7をインストールしました。
インストールはSDカードから起動してSSDへ導入。SDカードインストーラの作り方はフリーウェアRufusを使用してESXiのインストーラISOをSDカードへ書き込むだけです。
インストール作業は標準インストールするだけでドライバのカスタマイズは不要。ということでセットアップ作業はサクッと終わります。カスタムインストーラを作らないといけないNUCよりも手順は100倍簡単です。

標準インストールでいけてしまう理由は、NICがインテルのi1211であるため。しかも小型PCなのにShutlleはネットワークがちゃんと2ポートあるのです。これは凄くないですか?ちなみにNUCで構築する場合はNICが1個しかないのに加えてESXi標準ドライバでは動かずカスタマイズの手間がかかります。
ネットワークが2口あると、冗長化、ルータの構築、SMBマルチチャンネルで高速NASの構築・・・などなどサーバとしての幅が広がりますね!さらにシリアルポートもあるので、サーバ運用の練習にももってこい。


しばらく運用した後、気が変わったのでこのマシンをShuttleのDH310からDH370へ載せ替えました。Shuttleは業務用途に配慮したベアボーンなので、モデルチェンジしても筐体の大きさや使い勝手が全く変わらない点がとても良いです。
CPUをはじめとしてパーツは流用で、メモリだけは64GBへ増強しました。ESXiサーバを動かすにはメモリは思い切って最大で積んだほうが快適です。

さらにESXiをv6.7からv7 U3へアップデート。パッチなしの標準インストールでいけるのでバージョンアップも安心してサクッと作業できます。サーバはこういう安定運用が大事。


現在は機材ラックに収納しています。筐体の高さがちょうど1U相当なのです。さすが業務用も考慮して設計されている筐体です。
今はこのように2.5インチ外付けHDDをUSBで三台接続してZFSのRAIDを構成。この外付けHDD群を使い静音な自宅NASサービスも提供しています。これはまた後ほど詳しく書きましょう。

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